資本主義に飲み込まれたある男の話し【第2話】

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トーマス、機械化へ舵を切る

工場を建てたけど労働者からは文句を言われ、ウール生地の品質も下がった。

なんのために頑張っているのか分からなくなったトーマスだが、前向きに行動を続ける。

労働者に1つずつ独自技術を教え、生産性、品質が少しづつ上がり、利益も出るようになってきた。

そこでトーマスは思った。「出た利益を労働者に還元したい、喜びを分け合いたい」

しかしゴードンは許さない。「何を言ってるんだ。出た利益で今の生産が自動化できる機械を導入して生産量を増やすんだよ。機械を動かすだけの簡単作業になるから、もっと安く労働力が調達できる。そうやって攻め続けないと、資本主義の荒波に飲み込まれる。走り続けるしかないんだよトーマス。」

ゴードンの言う通りだと思ったトーマスは、機械導入を決める。

しかしこの独自技術を再現できるのは特注の機械じゃないといけない。しかも機械を入れるためには工場も大きくしなければいけないし、多くの資金が必要になる。

実家の農場と土地、羊を担保に再びゴードンから資金を調達し、ゴードンの紹介の業者に機械を特注することにした。

機械化の結果

機械化に成功し、少ない労働力で生産できるようになったトーマス。利益を拡大、機械を増やすという良い循環が回るようになってきた。

機械化=ボタンを押して動かし、材料を運ぶだけの作業。

つまり簡単に、安く労働力を確保できるようになるということ。資本を持つ側からすると良いことだらけ。

しかし他の業界でも同じように機械化が進み、街には失業者が溢れるようになってきました。

資本主義の特徴
前半は労働力が必要だが効率化が進み、後半は労働力が余るようになる。

農業革命、産業革命、最近だと情報革命でも同じことが起こってきた。

なぜならば拡大、効率化のために投資をして利益を追求することが資本主義の本質だと言えるから。

正義感の強いトーマスはそんな現状を見て「もっと工場を拡大してたくさんの人を雇用するんだ!」と意気込んでいます。

そんなある日、ウール生地を卸している業者からこんなことを言われます。「トーマスさん、実は品質が同じくらいでもっと安いウール生地を仕入れることになりました。今回のお取引で最後にさせてください」

そんなことが立て続けに起こるようになりました。

「いったい何がおこっているんだ!?」

つづく

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