小売業界の強者コンビニとドラッグストが、生鮮食品の取り扱いを始めている。
スーパーマーケットからすると攻めれらている。
コンビニとドラッグストアの置かれている環境
コンビニが飽和している。
ファミリーマートは2018年4月の決算会見で「コンビニは飽和している」と言いきり、セブン&アイHDも「踊り場に来ている」と成長の鈍化を認めている。
実際に2019年12月末は店舗数が前年を0.3%下回り、コンビニ誕生から初めて店舗数が減少に転じた。
じゃあコンビニ業界はこのまま何もしないでいるのかというと、そんなはずはない。生鮮食品の取り扱いを始めている。
セブンイレブンはグループ企業であるイトーヨーカ堂の国産野菜シリーズを、2023年2月までに約2万1,000店のうち9,000店に導入すると発表しているし、精肉についても、消費期限の長い冷凍肉を一部店舗で扱い始めている。
同様の理由でドラッグストアでも生鮮食品の取り扱いを増やしている。
こんなニュースを見て「スーパーマーケットは無くなっていくのかな」なんて思っていた。
スーパーマーケットは逆にコンビニ化していく
そこに反旗を翻しているのが巨人イオンが運営する「まいばすけっと」という業態です。
「まいばすけっと」の売り場面積は60~80坪程度。コンビニの一般的な店舗面積は50~60坪なのでめちゃくちゃ小さいスーパーですね。
しかし小さいながらもしっかり工夫がされている。
野菜と果物の品ぞろえは約90種類。一般的な食品スーパーは300~400種類なので、かなり絞り込んでいます。
どんなふうに絞り込んでいるのかというと、例えば普通のスーパーはキャベツを「1玉」「2分の1カット」「4分の1カット」と3種類そろえる。「まいばすけっと」は割り切って「2分の1カット」だけを売るのです。白菜も同様に「4分の1カット」だけ。
ターゲットは大家族ではなく、都市部で暮らす1人暮らしや2人世帯を想定しているのでそれでOKなのです。うまいやり方ですね。
さらにコンビニの主力商品であるおにぎりや弁当、調理麺も扱っています。
コンビニ弁当は500円~600円くらいですが、「まいばすけっと」はひれかつ弁当398円、おにぎり58円と安い!(味は分からないけど)
そこにイオンのプライベートブランド「トップバリュ」&スーパー並みに価格を下げたアルコール類(コンビニは高い)
という強みが加わるから、コンビニからすると脅威です。
2005年に1号店を出店。東京、神奈川、千葉、埼玉の関東を中心に現在1,000店舗と、どんどん拡大中。ちなみに営業時間は午前7時~午前0時だそうです。
直営vsフランチャイズ
もう1つ「まいばすけっと」には強みがあります。
それは直営であるということ。
直営かフランチャイズかはメリット、デメリットありますが、市場が飽和状態になってくると直営の方が強い。
コンビニフランチャイズオーナーのこんなリアルな話しがあります。
同じ商圏にコンビニSとコンビニLがある。
コンビニSの日商は70万円。これでバイトを雇い、フランチャイズオーナーもシフトに入りながら、なんとかやっている。
ところがコンビニLが閉店するらしい。
そこにコンビニSの本部から「もう1店舗フランチャイズしてくれませんか?」と依頼が来る。試算によると2店舗やれば日商は120万円になるらしい。
一見おいしそうな話しだが、コンビニのフランチャイズ経営ってバイトの確保も大変だし、手数料もあって、売上が120万円になったからといって、そのまま利益が増えるとは言いにくい。
しかしここで断ると本部は別のフランチャイズオーナーを探す。
同じ商圏にコンビニSが2店舗になると、日商70万円だったのが60万円まで下がってしまうという試算が出ている。だから2店舗目の話しを嫌だけど受けるしかない。
本部側は日商が70万円→120万円に増えるわけですから◎です。
一方で「まいばすけっと」は全て直営ですから、そんな問題はなく店舗を出せる場所があるならどんどん出店していける。
とまあ、リアルの小売り業界でもこれぐらいのスピード感で変化が起きているのです。ましてやEC業界なんて2年くらい何も変えずに同じことを続けていたら、あっという間に衰退ですよ。
スピード感をもってどんどんチャレンジしていくことが大事なのです。
