参謀も学んでほしい。貞観政要はある意味「トップの扱い方」が書いてある本

トップが国を滅ぼす最大の原因

創業期とそれ以降ではやるべきことが違うのに気付かず、天狗になる。暴君になる。

これを防ぐためには「3つの鏡」が必要。

➊自分の姿を写す鏡
身だしなみをちゃんとしなさい

➋歴史の鏡
過去の失敗から学びなさい

➌人の鏡
周りの人の諫言(かんげん)を聴きなさい

まあ、➋までは出来る。出来ている人が多いと思う。

だけど➌ですよ。これはめちゃくちゃ難しい。

言われる本人にとっても難しいし、諫言をする周りの人にとっても難しい。

そして➌が出来ないから国や組織が腐敗して滅びるんです。

諫言の仕組みが回らない3つの理由

うまくいかない理由①諫言される側も人間ですから

諫言とは「いさめること」

周りの人から「ちょっと皇帝!最近、人に優しくないですよ」とか「調子にのってるんじゃないですか」とか、そういったことを言われるわけですよ。

まあ、嫌ですよね。

だけど皇帝なんでね。優秀なんでね。頭では分かってる。「人の意見を聞くのは大事だ」

だから意見させる専門の役職を設置します。「軍師」とか「丞相」とか。優秀な人を配置して、重用する。

で、皇帝のことを思って諫言する。「皇帝、最近態度が悪いから臣下からの評判が悪いですよ。直してください」

そう言われると皇帝も人間なんでね、腹立ちますよ。落ち込みますよ。そんな話し聞きたくないですよ。

だから、処刑します。

えええええええ!?おかしいだろ。お前が諫言しろって言ったやん。なのに処刑されるってどういうこと。

まあ、中国全土のトップですからね。権力者ですからね。やっちゃうんですよ。

こんな過去の失敗例を調べるうちに太宗は3つのことに気がついた。

➊こんなことしてたら諫言は命がけだ。誰もしなくなる

➋皇帝に都合のいいことばかりを言うやつだけが寄ってきちゃう

➌皇帝はただでさえ威圧感半端ないのに、処刑はヤバいだろ。暴君かよ

だから、宣言します。

「俺は絶対に処刑しない」

「不機嫌はダメだよな。俺はいつも温和で笑顔でいる」

「諫言に対して感謝を言う」

はいはい。正論。やっぱりトップは人格者じゃなきゃね。

社長の皆さん。どうですか?そんなこと出来ますか?

「分かってるけど、無理」

ですよね。俺もそう思う。だって人間だもの。

実際、太宗も相当の人格者だったと思いますが、それを100%出来てたかというと出来てなかった。美女を横に置いてみたり、ぜいたく品を手に入れてみたり。態度が悪くなったり。

それをどう乗り越えたのか?次に進みましょう。

うまくいかない理由②諫言する側だって難しい

いくら皇帝や社長がにこやかに諫言してくれと言ってても、できますか?

リアルに想像してみてください。難しいですよね。

国や会社のことを考えた諫言をしないといけませんから、勇気、覚悟、頭脳、人格、全てを備えた人材じゃないと難しい。尻込みしちゃう。

そんな人どこにいるんだ。人材を探しに行かせても「見つかりませんでした」と帰ってくる。

そして世の中には悪い人もいる。皇帝を自分の利益のために利用するやつ。ウソをつくやつ。

もし仮に皇帝がそんな人の意見を聞いていたら大変なことになります。しかもそういう人は、頭もいいですから上手いことやる。見極めるのが難しい。

だから太宗はこう言いました。

「なんでもできるスーパー人材なんてそうそういないよ。何か1つでもいいから秀でている人を集めてきてくれ」

「諫言する側も人間だもの。間違えることはあるし、邪な気持ちになることもあるだろうさ。だから俺は1人だけの意見を聞くことはしない。周りに7人の諫言する人を置く」

誰か1人の意見しか聴かないことを「偏心」と言います。これは危険。

複数の人から諫言を聴くことを「兼聴」と言います。

皇帝も意見を聴くって言ってるし、諫言する人も揃った。

ここまでやってもまだ足りないものがある。

次が一番大変なんだ。

うまくいかない理由③信頼関係の構築は難しい

最後の関門「信頼関係」。これは難攻不落のやつ。

太宗は過去の失敗例からこんな答えを導き出した。

諫言の仕方も工夫しようぜ

直接諫める、人を通して間接的に諫める、歴史の事例を通して諫める、他者の事例を通して諫める、例え話で諫める。

「ちょっと皇帝、最近贅沢しまくってて、部下からの評判悪いっすよ」

とストレートに諫められると、皇帝も腹が立つし、落ち込むし、いじけちゃう。

「隋の皇帝って、贅沢しまくって他部族から嫌われまくってたらしいっすよ。皇帝も気をつけてくださいね」と例え話しで諫められると、そうだよな。直そう!となる。

諫言する側も大変だけど、皇帝も人間なので分かってやってよ。ということです。

諫言されたことは辛いけど頑張って実践する

いくら良い諫言をされても、変わらなければ「諫言しても意味ないよなぁ。もうやめようぜ」となってしまう。

行動を諫められて直す、変えるのは相当大変。だって言われることは「孔子」みたいな素晴らしい人になりなさいってことだもの。

だけどちゃんと実行しないと、いつまで経っても信頼関係は生まれない。

諫言する側、される側がお互いにこのような関係にならないと、本当に「諫言の仕組み」は機能しないわけです。

だけど、ここまでやったからこそ太宗の時代は素晴らしく平和で豊かな時代だった。中国史上有数の名君の一人と称えられている。

家康は貞観政要を読んでいた

行動力、発想力とカリスマはあるけど、気に入らないウグイスを処刑する信長

人を惹きつける魅力はあるけど、贅沢をやめられなかった秀吉

もし両者に諫言の仕組みがあったら・・・

家康は、辛いけど周りに諫言してくれる人を置いて、それをちゃんと実行する我慢の子。

皆との信頼関係があったんでしょうね。じゃないと江戸幕府は300年も続かないよ。

すごいなぁ。でも、家康だってめちゃくちゃ諫言されたんだろうなぁ。

最初から完璧な人間なんていないし、1人の力で完璧にはなれない。

だからですね皆さん。俺は諫言の仕組みをつくりたい。

諫言するのは勇気がいるけど、俺も諫言されたことは直すように頑張ります。

本当に強い、良い会社をつくりましょう!

貞観政要は太宗の失敗談と、部下がそれに対してどう諫言したかが書いてあって、すごく人間くさい書物です。

いろんな本が出てますが読むなら守屋さんが書いたやつがおススメです。この人、中国のいろんな時代の本を出していて、めちゃ歴史に詳しいです。

「貞観政要」のリーダー学 守成は創業より難し

タイトルとURLをコピーしました