宅配便業界で45%以上のシェアを獲ったヤマト運輸
2015年度宅配便市場シェア内訳
通常であるならば、これだけシェアを獲っていれば、価格競争には巻き込まれないはずです。
しかし、シェアN0.1のヤマト運輸でさえも、運賃の値下げが行われているのです。
実際に2000年代初頭には1個あたり700円以上あった運賃単価が、2015年には595円にまで下がっています。(15%の値下げ)
それに合わせて営業利益率も低下し、2015年度は3.3%というところにまで下がってしまいました。
その原因となっているのが、3社で拮抗したシェア関係でしょう。
ヤマト45.6%
佐川33.6%
郵便13.6%(最近シェア拡大中)
特に業界2位の佐川急便の値下げ攻勢は激しく、2000年代初頭に1,000円台近くあった運賃が、直近では504円と、なんとほぼ半額まで落としています。
また最近上場した「郵便」もここ数年で営業活動を強めてきています。資料が公表されていなかったので具体的な運賃までは分かりませんでしたが、佐川急便並みの価格戦略でシェアを広めているみたいです。
宅配事業で存在感を強める郵便
そして郵便の怖いところは、営業所の数で圧倒的に上回っている点です。
ヤマト4,000拠点、佐川400拠点に対して、なんと郵便は24,000拠点もあるのです。
さらに、ヤマト運輸が一番最初に始めた、スキー宅急便、ゴルフ宅急便、クール宅急便、代金引換、荷物追跡システム、翌日配送などのサービスでしたが、競合2社が追随し、似たようなサービスを提供しています。
また、宅配便の市場を広げる起爆剤となっているECも、運賃の価格競争を激化させる原因となっているのではと思います。
ネット通販においては「送料無料」が最も簡単且つ、効果的な販促であり、送料無料の自社負担を最小限にするために、運賃について価格交渉を仕掛けてくる傾向が強いのです。
1976年、価格競争から逃れる為に、企業の大口契約を次々と終了し、宅配便事業に舵をきった「ヤマト運輸」でしたが、再び、価格競争に巻き込まれているのです。
差別化がしにくい宅配便市場で、勝ち残るのはヤマトか、佐川か、郵便か、全く分からない、まさに三国志状態なのです。
もしあなたがヤマト運輸の社長ならどんな戦略を採りますか?
宅配便市場において、簡単にマネされないような強みはどうやって作れば良いのか?
勝ち残る企業が現れたとしたら、その事例は大変勉強になるでしょう。
